ブックタイトル平成27年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成27年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

に考えており、「教室からグラウンドに出て整列して、揺れが収まったので、ホッとしていた(Cさん)」と、いつもの避難行動をとっていた。<隣のビルの上から“逃げろー”という声がする>学生は整列したまま、学生同士で授業の話をしたり、この後どうするかとかしをしていた者や、男子の学生は先生について行って倉庫からテントとか出していた。その時、「たまたま、学校の近くの工事現場の方がひっしに私達に津波が来ることを教えてくれて、逃げなさいって(Sさん)」という声が聞こえ、整列したまま学生どうして話していると「その建物の上に居たおじさんたちが“何やってんだ。早く逃げろ”って、大きい声で言われて(Aさん)」津波が来るんだということを知った。<自分達は整列して待っていると先生達が話し合って避難の場所を決め一斉に走り出す>「なんか先生たち、それ、山に、近くに山があったので、山に逃げるか、小学校に逃げるか、どうするかって言ってた(Aさん)」そして、「何処に避難するのが一番いいか、私たち学生は全くわからなかったので、先生達が、まあ1時間くらい話し合って避難先を決め(Sさん)」、学生と先生が一斉に歩けば5分くらいのところにある小学校に向かって走り始めた。「学校の先生が避難するとき、的確な指示をくれた(Aさん)」ことにより、津波にのまれることなく避難ができた。<避難途中にお年寄りに手を貸しながら一緒に逃げる>「(逃げる時は)我が身一つ、上着だけ。正直、貴重品があったからってあの当時役に立ちませんからね(Mさん)」と逃げることに無我夢中であった。避難の途中、「友達と手つないで、こう走ってて、なんか近くに近所のおばあさんだかが居て、“もう私、いいから”とかって言ってたんですけど、男子学生おぶって、小学校まで連れってあげた(Aさん)」と、若者のように早く走ることのできない高齢者を助けながら一緒に逃げた。<小学校にたどり着き、波に浮かぶ車に人が乗っている様子が目に入るが助けられない>「小学校の1階に逃げ込んだ、2回に続く階段に続いて逃げたが、階段を2-3段上がったところで1階に入るところの扉が津波で壊されていくのが見えた(Sさん)」と、危機一髪で逃げ延びていた。「(小学校の屋上に)上に行って、ああ、水がこんなに来てるんだって。もう全部、家も車も木も何もかもブワーッと、ほんとに流れてる感じだったので、そのときに、私は「あ、ほんとに、これは一大事なんだな(Aさん)」と、これまで半信半疑だったのが、「帰れないなって(Aさん)」、津波を目にして感じた。「水に浮いた車には、人や犬が乗っていたけど、自分にはどうしようもできないっていうきもちになって…(Cさん)」ただ茫然と見ているしかなかった。第2フェーズ:【小学校でのサバイバル生活】<先生とともに自分達は避難者の濡れた体を拭く等できる援助をはじめる>「先生が避難してきた住民の代表者と話し合いをいろいろしているようだった(Sさん)」。「何でだか分かんないんすけど、皆でちゃんとやろって言うか、他にも、けがしてる79