ブックタイトル平成27年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成27年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

日には電波が届かなくなった。友人が迎えに来る同級生がいたのでその友達に、お母さんとか親に、自分が元気だということを伝えてほしいと頼み(Cさん)」、家族へ自分が無事であることを伝えたかった。<家族や知人が迎えに来て自宅に帰る>津波が引いて、道が通れるようになり、携帯電話がつながっていた小学校避難時に家族や知人に無事であることを連絡していたので、親達が迎えに来た。「最初、先生たちはちゃんと親御さんに、こう引き渡したほうがいいって思ったんですけど、それだと、なかなか、やっぱ帰れないって子も出てきたので。だ、近くの地域の人は(学生を迎えに来た親の車に)一緒に乗って帰った(Aさん)」。「私は友達のお母さんの車で帰ったら、すれ違いで母親が迎えに来ていた(Cさん)」。第3フェーズ:【自宅に戻ってから学校再開までの生活】<いつもの生活環境が一変し不便な中でボランティア活動に参加する>自宅に帰ると、「(私の実家は)津波の影響が一番大きかったので、周りの、風景だとか、いつもの通学路っていうか、風景が全くなくなってしまい、生活環境が一変してしまった(Sさん)」様子が目に入ってきた。だけど、「自分の知る街に戻ってもらいたいなというのがありまして(Sさん)」、瓦礫を片づけたりなど「ボランティアをやってた(S,Cさん)」。<授業再開を案じながら教員からの安否確認の連絡で学校の様子を聞く>「先生からおうちのほうは大丈夫ですか?とか今の生活どう?って電話来て。で、何回かこう連絡来て、学校は一応、6月あたり目安に開催するように、今、準備してたからとか、あと教科書、何がない?とか(Aさん)」、「無事なのかということと、あとはそっちの状況はどうなのか、どうなんだという状況か(Mさん)」など、教員とこまめに連絡をやり取りした。<近隣大学に間借りし授業が再開され、みんなに会え、日常に近づけることが嬉しい>発災から2ヶ月程経過し、学校が再開した。学校は津波で破壊された校舎は使えず、近くの大学の校舎であった。「今まで使っていたところが全く使えない、全く知らない環境下で勉強を再開しなくちゃならなかったから、初めは大丈夫かなって思った(Sさん)」が、「学校が始まったときに、先生たちが入り口で出迎えてくれてて、“ああ、元気だったの?”みたいな、“どうだった?”って聞いてくれた。皆も“ああ、元気だね”ってなって。もう、ただただ、なんか学校は、あんまり授業をするのは好きじゃないですけど、みんなに会えたっていうか、今こうやって集まれたことが、すごい最初はうれしかった(Aさん)」。学校が始まり、小学校でのサバイバル生活までは、同じ体験だったけど、自宅に戻ってからは、それぞれが違う体験をしていたが、再開できたことを、学業が続けられることで日常の生活を取り戻していった。81