ブックタイトル平成27年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成27年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

域との連携」は、透析療法を受ける患者などでつながりのある病院との連携を模索し始めており、今後も継続して検討する。4.キーワードセルフケア、病棟-外来-地域の連携、看護支援5.研究報告(1)研究の背景・目的超高齢社会が到来し、医療福祉制度も大きな転換点を迎えている。これまでの施設単位の治療・ケアから「地域包括ケア」へと方向性が明確に示され、制度上もさまざまな改定がなされつつある。看護においては、これまでも急性期における治療とともに退院後のことも視野に入れて病棟と外来、地域との連携を模索してきた。一人ひとりの思いや生活を尊重した「セルフケア支援」は、これからの「地域包括ケア」において看護の核となると考えるが、「セルフケア支援」についての取り組みや連携はまだ十分とはいえない。疾患をもちながら生活している人々への支援では、その人がもつ力、すなわちセルフケア能力に焦点をあてて、その力を伸ばすことができるような関わりが重要といえる。2013年4月から、日本赤十字社医療センターの看護師と日本赤十字看護大学の教員が共に、セルフケア支援についての検討をはじめた。日本赤十字社医療センターの外来と病棟の有志の看護師が、「セルフケア能力を測る質問紙:SCAQ」(Self-care AgencyQuestionnaire;エス・シー・エー・キュー)(本庄,2001;本庄,2008;本庄,2011)を活用したセルフケア看護支援を展開し、その手ごたえを感じはじめている。今後は、病棟や外来の連携のみならず、地域の連携病院や、福祉センターや訪問看護ステーションにまで視野を広げ、看護職者が「セルフケア」というキーワードで連携しながら、疾患をもつ人へのセルフケア看護支援を展開したいと考えている。本研究では、セルフケア看護支援に興味関心をもつ日本赤十字看護大学の教員と日本赤十字社医療センターの看護師が、地域中核病院における病棟と外来と地域とをつなぐセルフケア支援を検討し、「病棟-外来-地域をつなぐセルフケア支援」を構築することを目的とした。(2)研究方法1)研究デザインアクション・リサーチを用いた質的記述的研究デザイン。アクション・リサーチは、「実際のヘルスケアの現場における問題を明確にし、可能な解決策を探るために行う協働的介入」(Alison Morton-Cooper, 2000/2005,p.19)と定義86