ブックタイトル平成27年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成27年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

ネーション(調整)、倫理調整、教育、研究の役割を果たす。・災害看護リーダー:災害看護の知識・技術を有し、救護班看護師長の役割や災害各期における被災地・被災者のニードと支援体制(人的・物的・社会システム)との調整を行う実践力を有する人材。・災害看護の専門的看護職:災害看護分野において、災害現場の経験知を通し、災害急性期の医療現場における救命救急から災害中長期における被災者の健康とくらしを護る視点から、被災地域や他の外部支援チーム、そして他職種との協働システムを構築するとともに、個々の被災者のニーズに合った看護ケアを展開できる。また、災害現場対応だけでなく、防災・減災の視点から病院防災、地域防災の現場においても指導的立場がとれる人材。5.研究報告(1)研究の背景・目的看護職は被災者の健康と生活を護り復興に向かうための持続的な支援活動の中で、災害サイクルや活動現場等の状況、そして被災者特性に応じた様々な役割を担っている。被害状況や救護活動の状況から、看護のリーダー的役割を果たすためには、実践、コンサルテーション、コーディネーション(連携)、教育、研究の分野において、専門的な災害看護の実践能力を有する人材育成が急務と考える。また災害現場対応の専門家だけでなく、防災・減災の視点から病院防災、地域防災の現場においても指導的立場の人材育成が必要である。このような災害現場の経験知を通し、災害急性期の医療現場における救命救急から災害中長期における被災者の健康とくらしを護る視点から、被災地域や他の外部支援チーム、そして他職種との協働システムを構築するとともに、個々の被災者のニーズに合った看護ケアを展開できる災害看護の専門的看護職の育成の必要性は高い。日本赤十字看護大学では、災害看護教育について2005年度から学部教育を立ち上げ、2010年度には従来の修士課程の国際看護学領域に、正式に災害看護学を立ち上げた。2011年度には今までの教育実績をふまえ、文部科学省の災害看護分野における高度実践看護職の育成事業に採択され、その一環として、大学院生を対象に各災害サイクルに応じた災害看護学の授業に、実践的演習・実習プログラムの強化対策を取り入れ、継続的に取り組んできた。また2013年度から博士課程を立ち上げた。さらに2012年には災害看護のCNS専門看護師の分野認定を兵庫県立大学、日本赤十字広島看護大学と共に申請、日本看護系大学協議会の認定を得た。2013年に災害看護のCNS専門看護師教育機関として認定をうける段取りとなっている。現在、日本看護系大学協議会の専門看護師制度の下で、本格的に災害看護の専門看護師を育成する教育が始まろうとしている。赤十字は災害救護活動や災害看護活動において先駆的に取り組んできた。その実績を、赤十字災害看護の特性をふまえた災害看護の専門的看護職の育成に生かすことは、赤十字災害看護の伝承からも必要と考える。94