ブックタイトル平成28年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育研究事業報告書

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概要

平成28年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育研究事業報告書

研究活動成果報告書1.研究活動テーマ国連ミッション計画立案過程における政治メカニズム2.研究活動組織研究活動(代表)者:日本赤十字秋田看護大学講師新沼剛共同研究者:なし3.要旨本研究は、国連ミッションの評価・計画立案過程(IMPP、IAP)を概観したうえで、ミッション設立過程に影響を及ぼす主体とその政治的影響力をソマリアの事例から検証した。その結果、評価・計画立案過程において、安保理がミッションの戦略・組織に決定的な影響を与えることを指摘している。だが、安保理は極めて政治的な機関であるため、必ずしも人道的見地からミッションの戦略と組織を決定するわけではないことも指摘している。4.キーワード国連ミッション、統合的評価と計画に関する指針(IAP)、人道支援、安全保障理事会5.研究活動報告(1)研究活動の背景・目的平成26年度学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金に採択された『国連統合ミッションが人道活動に与える影響』では、紛争国への寄与の最大化を図るために、国連がその多様な能力(軍事、政治、法の支配、経済等)を一貫して、相互支援的に発揮できるよう各部門の組織的・戦略的統合の統合を進めた結果、本来統合化の対象ではない人道部門に対し、1人道支援要員の安全、2人道アクセス、3非国家武装勢力への人道支援、4人道アクターの認知、5権利擁護(アドボカシー)の側面で「負」の影響を与える場合があることを指摘した。上記研究では、国連が統合アプローチの制度化を推進する過程でいくつかの重要な指針を策定したにもかかわらず、必ずしもその指針が遵守されない原因を分析しきれなかった。組織的統合の面において、国連人道問題調整事務所(OCHA)は2011年に『統合国連プレゼンス内でのOCHAの組織的関係』(Structural Relationships within an Integrated UNPresence)を公表し、組織的統合度を決定するとき、ホスト国の治安・政治情勢の他、1紛争当事者・現地住民の受容度、2国連以外の人道機関との関係、3ホスト国政府の人道支援を行う意思と能力を考慮すべきであるとしているにもかかわらず、これら3つの条件15