ブックタイトル平成28年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育研究事業報告書

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概要

平成28年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育研究事業報告書

の意向に沿った選択肢であった。しかし、第1選択肢と同様、この選択肢も人道スペースを損なうとの理由から、同報告書はこの選択肢を推奨していない22。第3選択肢の「国連支援ミッション」は、新たなSPMは政治部門と平和構築の支援を提供するとともに、AMISOMへのロジスティック面の支援については、新たにミッション支援担当のDSRSGを任命するとしている。これは、それまでのUNSOAの機能をミッションに統合することを意味する。一方、UNCTについては組織的に分離するとしているが、政治、治安、人道の各部門の情勢の変化に応じ、組織的統合を検討していくと付け加えている。この選択肢では政治部門と人道部門の明確な区別が担保されるため、同報告書はこの選択肢を推奨している23。第4選択肢の「UNSOAとは明確に分離された国連平和構築ミッション」は、新たなSPMにおいて、政治、人道、開発の各部門の統合を図る一方、ロジスティック面の支援についてはミッションの外に置くというものである。これは国連の窓口の統合を主張するソマリア大統領の意向に沿うものであるとともに、独立したロジスティック支援を可能にする。しかし、ロジスティック支援がミッションの外に置かれるということは、SRSGの指揮外に置かれることを意味するため、現場のニーズに合わない支援が実施される可能性があるため、同報告書はこの選択肢を推奨していない24。(イ)安保理の承認事務総長報告書を受け、安保理は2013年3月6日に全会一致で決議2093を採択した。同決議では、UNPOSの後継となる新たなSPMの設置を承認するとともに、事務総長報告書で提示された第3選択肢に沿う形でUNSOAの組織的統合を決定している25。また、安保理はさらに踏み込んで、2014年1月までにDSRSG/RC/HCの任命を要請している。同年5月2日に採択された決議2102では、UNSOMの設立が承認され、マンデートとして連邦政府の和平・和解プロセスの支援、SSRや法の支配等の平和構築並びに国家建設に係る政策提言、人権の保障に向けた連邦政府の能力強化等が付与されている26。(ウ)組織的統合の妥当性安保理の承認過程を概観すると、事務総長報告書は組織的統合に対し慎重な立場をとっていたにも関わらず、なぜ安保理はDSRSG/RC/HCの任命にまで言及したのかという疑問が生じる。UNPOSの場合、そのミッションとしての統合度を決定してきたのは国連事務局であった。一方、UNSOMの場合、その統合度を決定付22Ibid.23Ibid.24Ibid.25S/RES/2093, 2013, para.18, 20.26S/RES/2101, 2013.23