ブックタイトル平成28年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成28年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

(p<0.001)、「批判的思考力」(p=0.037)、「大学生活への展望」(p<0.001)、「探究心」(p<0.001)、「達成力」(p<0.001)であった。m)大学生活における時間管理や学習習慣についての説明「大学生活における時間管理や学習習慣についての説明」があった方が得点の高い項目は、「協働学習スキル」(p=0.003)、「批判的思考力」(p=0.030)、「大学生活への展望」(p=0.003)、「論理的思考力」(p=0.011)、「探究心」(p=0.023)、「達成力」(p=0.013)であった。n)論理的に考えるための方法についての説明「論理的に考えるための方法についての説明」があった方が得点の高い項目は、「協働学習スキル」(p<0.001)、「批判的思考力」(p<0.001)、「大学生活への展望」(p<0.001)、「論理的思考力」(p<0.001)、「探究心」(p<0.001)、「達成力」(p<0.001)であった。o)問題を発見し解決するための方法についての説明「問題を発見し解決するための方法についての説明」があった方が得点の高い項目は、「協働学習スキル」(p<0.001)、「批判的思考力」(p<0.001)、「大学生活への展望」(p<0.001)、「論理的思考力」(p<0.001)、「探究心」(p<0.001)、「達成力」(p<0.001)であった。(4)考察大学入学直後の学生の困難は、科目数や課題が多く、学習範囲が広い中で学習を進め、理解を深めることであることが明らかになった。これまで、看護学導入時期に学生が感じる困難性として、【今までとは異なる学習方法】、【慣れない環境】、【科目の位置づけの認識不足】、【学習資源の不便さ】、【看護学に対する学習意欲、動機づけの違い】を明らかにしている(大久保・佐竹・大橋他、2011)が、本研究では学習上の困難が学年によってどのように異なるのかについて明らかになった。本研究では、初年次教育として大学入学直後に行われている説明や科目があったと回答した学生は、現時点での学習上の困難の程度が低いという傾向が示された。また、それらの説明や科目があったと回答した学生は、難しい課題にあきらめずに取り組んだり、学習計画を立ててそれに基づいて学習を進めたりするような積極的な学習上の傾向を持っていることも明らかになった。さらに、それらの説明や科目があったと回答した学生は、能動的学修に必要とされる能力も高い傾向が示された。これまで、後藤(2012)が自校の初年次教育により、対人関係のうまさをあらわすPC値を高める効果があり、難解な授業を継続して履修する学生のPC値が高いことから初年次教育の有効性を示しているが、困難や学習上の傾向との関係については先行研究では十分に示されていない。また、本研究では、高学年の学生の方が学習上の困難が低いことも明らかになり、学生たちが大学教育を受けていく中で、それらの困難に対応し克服していることが考えられた。学生たちは自分自身や22