ブックタイトル平成28年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成28年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

患者への援助は、看護師、医師、臨床心理士などの気づきや関心によって、患者のニードや問題を発見することから始まる。あらかじめ、問題を発見し、その問題の共有と対策の検討のためにカンファレンスが開催される場合もあるが、問題の輪郭がはっきりしない、あるいは問題であるのかどうかも不明瞭であるといった、「気がかり」「気づき」に関して話し合われることもある。個々の患者の課題を発見していくためには、医療者の知覚を敏感にして、患者の変化を意識的にキャッチしていくことが重要となる。2)チームとしての援助方針の検討と統一:職種間で協働して関わり、変化を捉える。医師、看護師、臨床心理士などの多職種で、患者や家族に関わるチーム医療では、それぞれの役割があり、機能を分業して行うことが多い。しかし、同じ場面に一緒に入り、患者の反応を捉える等の協働を行うこともある。3)具体的な援助方法の検討:面談等の介入方法(多職種間での役割分担、介入の順番など)の決定カンファレンスでは、医師、看護師、臨床心理士など多職種が参加し、それぞれの職種の強みを生かしながら、協力体制を取れるような話し合いをしている。患者が抱えた問題やニーズに即して、それぞれの職種がどのような役割を取ればよいか、実践的な工夫をしている。b.カンファレンスの種類1)多職種カンファレンス:外来開始前約20~30人/日の外来患者の予約があり、当日受診予定の全ての患者に対し、援助方針や課題について30分程度話し合う。検討課題が多く長い時は、1時間位かかることもある。参加メンバーは、当日外来診療を担当する医師、看護師、臨床心理士である。2)多職種カンファレンス:外来終了後外来診療終了後にも、カンファレンスを実施する。対応に困るような患者など、その日の外来時の状況や今後の課題などの情報共有を行い、今後の対応を検討する。時間は30分程度である。外来時間内で対応できないときは、個別でカンファレンスを開く。医療者がどのように介入するかについて方針を検討し、それをスタッフ間で共有する。患者が抱える問題の確認や共有だけでなく、援助の具体的方法や、その際の職種間の役割分担なども話し合う。カンファレンスを受けて患者の診察や面談を実施した後、それらを振り返り、電子カルテに記載する。次回の診療の重点的にアプローチしてほしい部分や課題、方針など追記して、次につなげる。医師は医師、看護師は看護師というように職種別で記録を残し、テンプレートも使用する。31