ブックタイトル平成28年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成28年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

・「何か違う」という看護師の感覚・生活環境にサポートが必要だと考えられる場合・透析への拒否が強い場合・関係性の構築が難しい場合・進行が早い(原疾患と進行速度)・生活背景が見えにくい場合(生活状況の確認が必要な場合)・家族への介入が必要な場合(状況認識のズレなどがある場合)c.面談の方法1)場所の選択面談を行う目的や患者との関係性等を考慮し、「個室」や、外来のベンチで患者と横に並んで座って行う等、面談を行う場所を選択する。2)面談時間患者の負担を考慮し、1回の面談時間は30分程度で実施する。外来の限られた時間で面談の目的を果たすため、対話(面談)技術が求められる。3)多職種間、看護師間でのアプローチ患者と1対1での面談ではなく、2人以上の医療者が担当したり、医療チーム各々の専門性を踏まえて、多職種でアプローチすることで、互いの緊張が和らぎ、患者とのやりとりがスムーズになることがある。また、腎機能データeGFRが15ml/min以上の患者で、医師が必要だと判断した場合には、看護師主体による個別面談を実施する。4)面談の継続過去、現在、未来という時間軸の中で患者を理解するためには、面談の継続が不可欠となる。そのため、面談を単発で終わらせるのではなく、継続できるようなシステムを作ることが重要となる。面談を継続していくことの意味を考えつつ、1回ごとの面談の目標を明確にし、特に透析療法選択時期は、患者や家族への継続的な援助が必要となるため、継続的な面談を実施していく。5)面談時の工夫面談を継続していくためには、個々の患者・家族の特徴や疾患の受容段階に応じて、面談の方法を工夫していく必要がある。例えば、面談のタイミングとして、透析導入時期が病態として迫っている場合(eGFR15ml/min以下)は、面談が必須となるが、病態によっては面談を「待てる時期」もある。データ的にまだ「待てる時期」であれば、無理に面談をするのではなく、意図的に面談を行わない方法もある。そのような場合には、必要な時はいつでも看護師に声をかけてもらえるような関係性や体制を作りながら「待つ」ことが大切である。33