ブックタイトル平成28年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成28年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

H.学習支援a.集団学習支援~腎臓教室(くれあ)~1)目的集団学習支援においては、患者とその家族が腎不全の知識を深め自己管理能力を高め、透析導入までの期間を延長させ緊急透析導入を回避し、患者・家族が自身の意思決定により腎代替療法を選択できるようにすることを目的とする。2)方法プログラム内容の検討にあたり、患者が腎不全ステージの進行に応じて受講し興味関心のある内容を選択できるよう、学習内容について1年を通してシリーズ化・プログラム化する。患者と家族が反復的に学習できるよう、腎不全の総合的な基本的知識については毎年実施する。またプログラムの内容は、「腎臓内科医師」、「血液浄化センター看護師」、「薬剤師」、「管理栄養士」、「健康運動指導士」、「医療ソーシャルワーカー(MSW)」といった多職種で検討することで、広い視点で構成することができる。運営や司会は当番制にすることにより、どのような質問にも答えられるように体制を整えている。なお、プログラム内容は毎年全員で評価、修正を行い、次年度のプログラムを準備していく。3)開催方法開催にあたり参加費は必要としない。また、外来受診していない患者、入院中の患者など、誰でも参加できるようにする。基本的に毎月平日に定期開催しているが、平日の参加が難しい方のために、年に1~2回は、土曜日に開催する。なお、学習効果を考え、定員制にし、講義内容は1回2時間以内として参加者が集中できるプログラム内容にする。4)募集方法募集方法は、院内ポスターの掲示や、外来・健診センター・栄養課・病棟での呼びかけ、企業や関係団体と共同(ホームページへの掲載など)、患者間の口コミなどがある。5)腎臓教室運営の工夫腎臓教室運営にあたり、一方的な講義にならないよう、楽しく学べる受講者参加型にするとよい。例えば、クイズ形式やグループディスカッション、運動療法の体験など、参加者が主体的に学べる方法(アクティブラーニング)を取り入れる。講義時には、パンフレットの他、ビデオ・DVD、食品サンプル、試食をする場などを設け、より深く学びたい人のための教材を提供する。病気や食事などの知識を生活に導入してもらうために、療養経験を学びあうことが大切である。その時の辛さや困難さを参加者同士で共有しあうことも重要であるため、できるだけ患者自身の体験を話してもらう時間を作る。39