ブックタイトル平成28年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成28年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

パソコン・タブレット・スマートフォンなどを使い、テレビ会議システムゲートウェイを通して遠隔授業を受ける方法がある。しかし、現在の赤十字5大学による共同教育課程においては、セキュリティが確保されたインターネット回線でのテレビ会議システム環境は、整備されておらず、5つのいずれかの大学に行ってテレビ会議システム遠隔授業を受ける必要がある。指導教員と学生との個別指導であるなら、公開されているグーグルプラスなど無料のシステムを活用する方法があるが、セキュリティ上の問題があり、大学設置審査からもその点を指摘され使用が認められなかった。セキュリティが確保されたインターネット回線での遠隔授業および個別指導には、テレビ会議システムゲートウェイサービスがあり、これを利用したスマートビデオサービス(NTTビズリング)であれば、快適な遠隔授業および個別指導が確保できる。インターネット回線を用いた教育に関しては、E-ラーニングによる教育など基礎的な知識・理解を得るようなものが多く、修士・博士課程でのテレビ会議システムでの教育効果、インターネットを活用した遠隔授業システムの教育効果に関してはあまり研究されていない。そこで、高度な実践知を基盤として、自立した研究活動と研究指導ができる研究者、知的複眼思考・論理的思考に基づき発展的に看護を実践できる人材を育成できるような教育を行うことを目指す大学院教育において、テレビ会議システム、およびインターネットを介したテレビ会議システムの具体的な利便性、有益性などを含めた総合的な教育効果に関して明らかにすることは、将来の教育方法の拡大、いつでもどこでも高度な教育を受けることができる世界への可能性が広がる。教育環境と効果に関して、具体的な示唆を得ることができる。なお、共同看護学専攻(博士課程)の大学設置審の審査では、このテレビ会議システムを活用した遠隔授業に対して「面接による授業との同等性の確保に向けて最大限の努力をすること」との留意事項が課された。本研究は、この留意事項への回答ともなりうるものである。<研究目的>高度な実践知を基盤として、自立した研究活動と研究指導ができる研究者を育成する教育を目指す大学院教育において、テレビ会議システムおよび大学外からも授業を受けられるインターネット回線を用いた遠隔教育について、その具体的な利便性、有益性を含めた、総合的な教育効果に関する基礎的データを収集し、教育効果の一端を明らかにすることが本研究の目的である。<研究意義>2015年4月現在、看護系大学は249校、大学院修士課程149校、博士課程75校である。1992年の大学は14校、大学院5校に比較して、わずか20年余りの間に大学は約16倍に、大学院修士課程は約30倍に増加していることになる。これは、他の学問分野には類を見ない短期間における増加率である一方で、看護系大学が急激に増えたことに47