ブックタイトル平成28年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

ページ
5/74

このページは 平成28年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書 の電子ブックに掲載されている5ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

平成28年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

されていない。そのため、看護系大学における教育方法を検討していくためには、学年ごとの実態を把握し、学年ごとに違いが見られるのかを明らかにする必要があると考える。学習スキルについては看護短期大学の学生を対象とした調査はあるものの(吉本・伊藤・堀他,2000;安達・菅野・谷岸他,1997;安達・谷岸・草地他,1998;安達・谷岸・草地他,1999;安達・谷岸・金井,2000)、すでに15年以上前の調査であること、看護系大学生を対象とした調査ではないことから、現代の看護系大学生の実態を把握するには至らない。さらに、今まで受けてきた初等中等教育での学び方とは異なるために看護系大学に入学した後に直面した困難や対処、一方教員が捉える看護系大学生が直面している学び方における困難等は先行研究では明らかにされておらず、看護系大学において能動的学修を促進するための教育方法や内容を具体的に検討するためには不十分である。以上の背景から、看護系大学において学生の実態を考慮した能動的学修の促進、より主体性をもった看護職を育成するために、本研究に取り組むことは必要かつ喫緊の課題である。b.研究目的看護大学生の能動的学修に必要とされる能力の実態について、大学入学後に直面する学習上の困難、困難を克服する上での支援や対処、学修方略の獲得といった観点から明らかにし、看護系大学において学生の能動的学修(アクティブラーニング)を促進するための教育のあり方を検討する基礎的資料を得ることを目的とした。c.研究意義第一に、現代の看護系大学の学生の学習スキルおよび学習上の困難や対処や明らかになることで、学生の実態を踏まえた能動的学修を促進するための教育方法や内容を検討することが可能になる。第二に、中等教育から高等教育への連携という観点から、看護系大学生の主体的な力を伸ばすための教育方法について検討することが可能になる。(2)研究方法平成27年度に第1段階として実施した学生および教員それぞれに対する面接調査に基づいて、平成28年度に学生を研究対象者とした質問紙調査を実施した。a.研究デザイン関係探索的研究デザイン。b.研究対象者全国に位置する同一の学園の看護系大学6校のうち本調査に協力の得られた大学に在学する看護系大学生1~4年生(編入生はのぞく)約3,000名c.調査期間平成28年10月~平成29年1月d.用語の操作的定義能動的学修(アクティブラーニング):動機付けられた学習への参加者として、主体的3