ブックタイトル平成28年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成28年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

(3)研究結果日本赤十字学園に所属する赤十字6看護大学では、平成26年度に専用回線を用いたテレビ会議システムを導入し、6大学での会議や講義に活用されている。平成28年4月からは大学院共同看護学専攻博士課程が、赤十字5大学(日本赤十字北海道看護大学、日本赤十字秋田看護大学、日本赤十字豊田看護大学、日本赤十字広島看護大学、日本赤十字九州国際看護大学)において開設され、協力校である日本赤十字看護大学とともに合同教育が行われている。このテレビ会議システムでは、各構成大学がもつ教育研究資源を、「共同教育課程」を通じて一体的に機能させることでシナジー効果を発揮させることをめざし、「知の共同体」という教育研究環境を5大学の学生に提供しようとしている。今回は、6赤十字看護大学でのテレビ会議システムおよびインターネット回線を用いた大学院遠隔授業の実際(実践結果)を報告する。【共同教育課程の特徴】この共同教育課程では、学生はどの大学にいても、どこにいてもテレビ会議システムにて6大学提供の授業・個別指導を受けることができる。この学習の機会は大学での専用回線によるリアルタイムの双方向テレビ会議システム活用だけでなく、インターネット回線を用い、大学外からパソコン・タブレット・スマートフォンなどを使い、システムゲートウェイを通して遠隔授業・個別指導を受ける方法も稼働している。共同教育課程の定員は1学年10名、平成28年度は各校2名以上14名の学生が入学した。入学後5月に合同ガイダンス・初回授業を対面で行ない、それ以降数か所からテレビ会議システムを使用し授業している。教育課程は専門分野で区切らず、複数の専門家が1つの統合科目を構成し、学生の個々のニーズや能力等に応じ、専門領域の垣根を越えた、看護学の「知の共同体」としての組織体制をとっている。【教育課程の内容】共通科目は、看護理論、赤十字人道援助論、臨床倫理論、科学的研究方法論Ⅰ~Ⅵの9科目(各1単位)、専門科目は看護人材開発特論、実践看護学特論、療養生活看護学特論、生涯発達看護学特論、広域連携看護学特論、災害救護特論、健康科学特論の7科目(各2単位)を開講している。初年度は博士論文作成のために看護学演習(2単位)、合同研究ゼミナール(1単位)が用意され、2年・3年では特別研究(8単位)が用意されている。共同看護学専攻の教員組織は、教授27名、准教授1名、講師1名の専任教員29名と兼任教員4名の計33名で構成している。専任教員は各構成大学の看護学部及び大学院看護学研究科(修士課程)を併任する。講義科目には原則として教授を科目責任教員として配置し、オムニバス形式やゼミ形式で担当教員が専門としている分野を教授できるようにし、学生が自立して研究活動を行う50