ブックタイトル平成28年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成28年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

(4)考察このようにテレビ会議システムでの遠隔授業を実施してみて、専用回線でのテレビ会議システムは、初対面でなければ対面授業と変わらない教育効果が得られるものと考えられたが、インターネット回線のスマート会議システムに関しては、まだまだ改良の余地がありそうである。他の大学等での試みと比較し、検討してみる。【先駆的領域】竹内・木村・佐藤ら(2011)は、岡山県内の15大学が大学コンソーシアム岡山を結成し、個別に実施している優れた取組みを共有・相互連携することで、地域活性化の担い手となる人材育成を目指した活動をしている。連携する大学間での単位互換制度が他大学の授業を受講するために学生の時間的負担や費用的負担が発生する問題に対し,e‐Learningによる教育の共有化に向けたシステム構築を試みた。1)ライブ型方式による遠隔授業用テレビ会議システムの導入,2)VOD(Video On Demand)方式による遠隔授業用学習管理システムの構築を実施した。平成22年度にはライブ方式5科目,VOD方式3科目の配信を行っており、i)テレビ会議システム運用ノウハウの蓄積・共有化,ii)VODの撮影方法,iii)VODコンテンツに含まれる著作権の取扱いといった課題について論じている。2012年には、同じく竹内・木村・北村ら(2012)が前述の岡山オルガノンにおける大学連携事業のコアプロジェクトと位置づけられている遠隔教育を取り上げ、II―ライブ型遠隔授業やVOD方式によるe‐Learning教育について議論を行い、遠隔教育の成果と課題について論じた。遠隔教育制度の普及および広報活動に関しては、学生向き遠隔教育リーフレットの作成、ICT活用教材作成講習会について論じている。田中(2012)は、富山大学、金沢大学、北陸先端科学技術大学院大学、福井大学で学術情報ネットワークを用いた双方向遠隔授業システムを構築し、複数大学間の双方向遠隔授業を行ってきた。システム構築の経緯を示し、特段の知識や技能を有していない講師でも通常の講義室を講師のいない受信側でバーチャルに現出させる双方向遠隔授業の効果と問題点について述べている。まず、1授業あたり講師側1教室、受信側3教室の最大4地点を結び、同時に複数の授業を20~100人規模の大小の14教室で開催できるシステムについて概観した。講師側の大教室には受信側の受講生を映し出す大型スクリーンを教室後方に2枚設置し、通常授業と同様の目配りを可能とした。受信側教室前方には黒板映像、講師映像、資料映像を表示する3スクリーンを設置し、学生2名に1台のマイクによって発言許可ボタン方式を実現した。双方向遠隔授業に関するアンケートでは受信側教室において通常の授業よりもわかりやすいといった意見が半数を占め、緊張感がないとの意見が多かった。また、受信側教室でもう1度この教室で授業を受けたいとする学生が半数以上を占め、別大学の授業を受けられる効果が確かめられた。と述べている。国際医療福祉大学大学院の遠隔授業システムとeラーニングシステムについて、開原・52