ブックタイトル平成28年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成28年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

配慮や、授業の録画ビデオの活用など改善の必要な点についても検討されている。また宮越・RAJASEKERA・DEEPANIE PATHIRANAGEら(2014)は、スリランカとの遠隔教育において,体位変換の看護技術に対する学生による授業評価の内容を考察し,授業における問題点や課題を明らかにしている。方法はSkypeを用いてA大学と接続し、体位変換の授業を3回で1シリーズとして実施し、授業終了後、学生が授業評価および技術評価を行った。その結果、授業評価(5段階評定)では,「あなたが今まで経験した他の国際遠隔授業と比べて、日本からの画像や音声は全体的には同じようなクオリティであった」、「講師の言語や音声は、聞きとりやすかった」以外は、全体の平均が4以上の高い評点であった。また、画像の鮮明さは、各授業で差があった。技術評価(3段階評価)では、すべての手順において2以上であった。途上国との遠隔授業では、インターネット通信の状態が不安定で、安定した映像や音声の提供が難しいが、Skypeでも学生が授業に対しての興味や満足感を得られた、とあった。須藤・内宮・飯田ら(2012)は、新潟県立看護大学で看護師の継続教育に対する学習ニーズの高さに鑑み、平成19~21年度文部科学省委託事業「社会人の学び直しニーズ対応教育推進プログラム」に取り組んだ。バーチャル・カレッジを用いた継続看護教育システム「ドコでもカレッジ(ドコカレ)」の開発について述べている。ドコカレは看護師免許保有者や職場復帰を希望する者、最新医療や看護について学びたい者を対象とし、ビデオ・オン・デマンド方式で講義収録ビデオをいつでもどこでも視聴できる。また、インターネットを介した質疑応答、レポート提出、テレビ電話会議システムを用いた実時間双方向遠隔授業、掲示板を用いた討議など双方向型コミュニケーションが可能である。バーチャル・カレッジ・システムでは、e‐learningプラットフォームとしてMoodleを採用し、仮想機械化ソフトウェアXenを導入することでシステムの可用性を向上させ、システム負荷を軽減して300人程度の同時アクセスに耐えられるようにした。4年の運用過程でドコカレの登録者総数は増加傾向にあるが、1)ディジタル・デバイドの影響、2)無償提供のために受講者数増大に伴う運営費用確保の問題、3)Webカメラを利用するにあたっての整容にかかる時間、4)掲示板への実名投稿の抵抗感、5)通信回線容量などの課題が存在などの課題があった。看護学領域でテレビ会議システムを使った複数大学の共同教育課程大学院教育では、高知県立大学、千葉大学、東京医歯大学、兵庫県立大学、日本赤十字看護大学でのDNGLと呼ばれる共同教育課程が先行しており、同DNGLでは平成26年度より開講した5大学による共同大学院において、テレビ会議システムおよびLM(Learning Management System:学習管理システム)を活用した遠隔授業を実施している(久保田, 2015)。しかし、具体的な課題や問題点は示されていない。(5)結論テレビ会議システムの操作では、テレビ会議に入ることは問題なくできたが、インター54