ブックタイトル平成28年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成28年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

研究成果報告書1.研究テーマ特別養護老人ホームの看取りにおける家族への説明方法の検討-パンフレットの考案と適用-2.研究組織研究代表者:日本赤十字豊田看護大学・教授・小林尚司共同研究者:特別養護老人ホーム安立荘看護師濱崎幸代生活相談員高田美沙子3.要旨研究者らは、特別養護老人ホーム入所時における看取りの説明に用いるため、施設入所期間を通した高齢者の衰退のプロセスと各時期に行うケアを示した、パンフレットを作成した。本研究では、パンフレットを用いた説明を受けた家族が、どのようなことを感じたり考えたかを明らかにする。方法は、対象を特養に入所した17名の高齢者の家族とし、説明をした時のケア記録を質的に分析することとした。結果は、【看取りについて考えられないと感じた】【今のところ終末期医療に対する希望は決まっている】【本人や家族の思いを考えた】【終末期にどのような医療処置を希望するか悩む】【看取りについて考えなくてはいけないと感じた】の5カテゴリーに集約された。今回の結果から、パンフレットを用いて看取りをイメージしやすくすることで、家族の入所の時点の意向をとらえられ、看取りについて考えるように働きかけやすくなると考えた。4.キーワード特別養護老人ホーム看取り家族支援5.研究報告(1)研究の背景・目的わが国において、死を医療機関で迎える人は全死亡者の75%に及び(厚生労働省,2017)、老衰で亡くなる人でも医療機関で死を迎えている人がいると推察される。2008年の介護保険制度改正において、特別養護老人ホーム(以下、特養とする)の看取り介護加算の制度が創設された。これ以降、入所高齢者の看取りに対して積極的に取り組む意向を示し、そのための体制を整える施設は増加しており、2014年の時点で70%以上の特養が看取り介護のための指針を作成している(厚生労働省,2014)。また、特養における看取りの件数も増57