ブックタイトル平成28年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成28年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

表3看取りについて考えなくてはいけないと感じたサブカテゴリー看取りの視点から見た高齢者と施設の位置づけを理解する看取りについて考え相談する必要性を感じる記録内容の例(看取りの説明に対して)「そうなんですね」「こういうこともしているんですね」「最期まで看ることはしているのか」「年齢が大きいので、いつそうなるかはわかりませんものね」「今はまだしっかりと考えられないけど、そうなっていくんだということは分かるので、考えていきます」「年齢も年齢なのでこういうことも考えていかなくてはいけないですよね」他の家族もいるため、パンフレットを見せて相談してもらうよう依頼すると、「そうですね、話をしてみます」「自分としては(施設で)看取りが良いと思います。ただ、父の前でそれを言うのは薄情な気がして。無理な治療は父も望んでいないと思うのですがやれることはできる限りやってあげたいと思っているんです。徐々に考えては行きます。」【本人や家族の思いを考えた】(表4)このカテゴリーは、看取りのあり方について考えたことで、本人や自分以外の家族の思いや意見について考えをめぐらせたことを示しており、『看取りのあり方を家族で相談したい』『本人の思いを気にかける』という二つのサブカテゴリーから生成された。『看取りのあり方を家族で相談したい』(説明を聞いて)「これは、もめるぞ」と言ったり、入所時に「(入所前の面接の際に渡されたパンフレットを)私は見ました」と話し、入所時に同席した三女に「あなたも見ておいた方がいいでしょ?」とパンフレットを渡すといったように、看取りのあり方に対する家族員それぞれの思いを気にかけたり、説明を受けた内容について他の家族に伝えていることが示された。『本人の思いを気にかける』「本人はここにいることが嬉しくて仕方が無いから、ここが一番だと思うけど」や、「(入所前の説明内容をもとに)母と話をすることができました。お葬式で流してほしい曲とか、こんな機会が無いと話をすることは無かったです。母が、考えてくれてありがとう、と言ってくれました」といった記載から、高齢者本人が看取りに関してどう思うかを想像したり、説明を受けたことで実際に看取りについて本人と直接話をしたことが示された。64