ブックタイトル平成28年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成28年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

表4本人や家族の思いを考えたサブカテゴリー看取りのあり方を家族で相談したい本人の思いを気にかける記録内容の例「(本人の兄に、最期をどのようにするかを)聞けば、『どうでもいい』というような事を言う。しかし、心配はしている(と思う)」(説明を聞いて)「これは、もめるぞ」(長女)「はい。私は見ました。」と話し、三女に向けて「あなたも見ておいた方がいいでしょ?」と話し、パンフレットを渡す。「う~ん、病院に入院する時も同じような確認をされますけどいつも悩むんです。母はまだ若いし、でも認知症で理解出来ない状態で、認知症が治るわけではないし…。最期に近い状態にならないと分からないです」「母のことについては私たち2人で決めているので、2人で相談します」「本人はここにいることが嬉しくて仕方が無いから、ここが一番だと思うけど」「(入所前の説明内容をもとに)母と話をすることができました。お葬式で流してほしい曲とか、こんな機会が無いと話をすることは無かったです。母が、考えてくれてありがとう、と言ってくれました」【終末期にどのような医療処置を希望するか悩む】(表5)このカテゴリーは、説明を受けて、どのような終末期医療を受けるのか、どこで死を迎えるのかについて結論を出すことができずに悩んでいることを示すものであり、『老衰に対する治療の意味を考える』『看取りのあり方に悩む』という二つのサブカテゴリーから生成された。『老衰に対する治療の意味を考える』「助かる見込みがないと診断されて病院に行っても仕方がないですよね?」や「徐々に弱っていくことは分かっている。パーキンソン病だから。食べられなくなって、それを胃ろう造設するのかどうかもありますものね」と話すことから、老いてできなくなったことに医療処置で対応するかどうかを判断しなければならないと考えていることが示された。『看取りのあり方に悩む』「難しいですね」、「どうしたらいいか困りますね。本当にこれでいいのかな…」といったように、看取りのあり方についてどのように判断するとよいか悩むことが示された。65