ブックタイトル平成28年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成28年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

表5終末期にどのような医療処置を希望するか悩むサブカテゴリー老衰に対する治療の意味を考える看取りのあり方に悩む記録内容の例「助かる見込みがないと診断されて病院に行っても仕方がないですよね?」と話したため、痛みの緩和などを積極的に望まれる場合は病院に行くことを伝え、「そういうことか」を理解した様子。「徐々に弱っていくことは分かっている。パーキンソン病だから。食べれなくなって、それを胃ろうとするのかどうかもありますものね」「難しいですね」と発言は少ないものの、しっかりと考えている様子。「どうしたらいいか困りますね。本当にこれでいいのかな…」「家で看ることは出来ないし、病院かここかだとは思うんですが、どういう状態かにもよりますよね。本人の苦痛が大きい場合は病院を選びたいですが、老衰ってなるとまた違うと思うんです。また考えておきます」【今のところ終末期医療に対する希望は決まっている】(表6)本カテゴリーは、終末期医療や死を迎える場所について自らの意向が決まっていることを示すものであり、『亡くなり方を想像する』『自然な看取りを希望するが治る病気の治療は受けたい』『できる限り治療を受けたい』という三つのサブカテゴリーから生成された。『亡くなり方を想像する』「(病院では)心不全で逝くかと思っていたのですが、(中略)老衰で亡くなるのかな、と考え始めました」というように、病院に入院期間中に亡くなることも考えていたが、その後回復して施設入所となり、老衰で亡くなる可能性もあると考えたことが示された。『自然な看取りを希望するが治る病気の治療は受けたい』「ゆくゆくは自然のままで延命の希望はしないですが治る病気はきちんと治療をお願いしたい」、「病院に行ったらまた、寿命が延びちゃうでしょう。(中略)無理な治療はせずに自然の流れで看取ってあげたい」というように、治る病気の治療か無理な治療かによって、対応を判断しようとしていることが示された。『できる限り治療を受けたい』「出来る限りの治療は希望。何かあった時、嘱託医がすぐに対応できるクリニックにいる先生の方が良い」というように、できる治療は希望する考え方が示された。66